田舎の長男教って何?どんなの?
何がやばいの?実際どうなの?
本記事では田舎の長男教について、実際に島根県のど田舎の長男である私が実体験をもとに解説します。
田舎の長男教とは?
長男教(読み方はそのまま「ちょうなんきょう」)とは、長男信仰とも言われ、
男の子が誕生するとその家の後継ぎとされ、家を後世に残す大事な跡取りとして育てる風習のことです。
資産を相続する代わりに、親と同居し介護や面倒を見ることが暗黙の了解としてあり、それを小さい頃から長男に教え込む、という文化とも言えます。
「お前は長男だから」という責任感を持たせる言葉で、少しずつ長男としての自覚を教え込まれます。
男子のいない女系家族では、養子を迎えて跡取りにする。そんな家庭もまだまだあるのではないでしょうか。
最近では女児よりも男児ばかり可愛がる母親という意味での認識も広がっています。
世の中にはそんな長男教に苦しむ方々(特に嫁)がまだまだ大勢いるようです。
長男教は何がやばいのか
長男教は一般的に「やばい」というイメージが浸透しているようです。
一体何がやばいのか、まとめてみました。
(結局は家庭によって違うのであくまで参考です)
- 親戚の集いで嫁が「飯炊き女」をやらされる
- 親の介護をするのが当たり前と思われる
- 同居を拒むと冷たいと言われる
- 同居によるモラハラ・パワハラ
順番に解説します。
親戚の集いで「飯炊き女」をやらされる
田舎の長男の家には、盆や正月に親戚が集まることが多いです。
家で宴会が開かれることも多く、そんな時に長男の嫁はご飯やお酒の準備を延々とやらされるので「飯炊き女」と揶揄されます。
田舎の家は無駄に広いですから、宴会の後泊まるのであれば、朝食の用意までさせられ、貴重な盆や正月の休みが「飯炊き女」で終わってしまうのです。
確かに、私の小さい頃は母が祖母と一緒に親戚の食事やお酒を用意していたのを覚えています。
母は嫌がっていましたね。
親の介護をするのが当たり前と思われる
長男は親と同居することが多く、晩年は介護するのが当たり前という風潮があります。
私の家では、曽祖母が倒れるまでは自分のことは自分でできていて、倒れた後は入院してしまいましたし、祖母は今80歳後半ですがめちゃくちゃ元気ですし、介護を目の当たりにしたことがありません。
確かにすぐに介護施設に入れるというのは確かに冷たいという風潮はあるかもしれません。
ですが、介護疲れは深刻な社会問題ですし、当たり前と言われると辛いところがありますよね。
旦那の親=他人とすると、他人の介護が当たり前と言われるとしんどいのは当たり前ですね。
同居を拒むと冷たいと言われる
田舎の長男は両親と同居することが多い傾向にあり、拒むと冷たいと言われてしまうかもしれません。
ですが、嫁にとっては他人と生活するというストレスが少なからずあるのは当然ですね。
実際私は実家の敷地に離れを建てて、水回りなど完全に独立はしていますが、同居しています。
私の妻はたまたま苦にならないタイプのようですが、人によってはうまくいかないこともあるでしょう。
同居によるモラハラ・パワハラ
嫁が同居している両親からモラハラ・パワハラを受ける例もあると言います。
そんな時は旦那が助けてあげるべきだと思うのですが、旦那が両親に強く言えなかったり、間に挟まれて何もできないということも多いようです。
流石にハラスメントを受ける状態であればなんとしてでも同居は解消すべきだと思いますけどね。
ドラマ「やんごとなき一族」で再び注目を浴びた長男教
2022年のドラマ「やんごとなき一族」で長男教という言葉が再注目されました。
石橋凌演じる父の圭一は、一族以外は見下し、嫁を人とも思わないその横暴ぶりもさることながら、女児を産んだ佐都(土屋太鳳)に「早く男の子を産め」と言い放ちました。
これに対してSNS上で、「長男教かよ」、「長男(尾上松也)の育て方間違ってる」などといった声があがっていました。
多くの人が長男教を不快に思っていたようですね。
長男教は間違いなのか
ここまで長男教の悪い面を見てきましたが、違う角度から見てみたいと思います。
風習として生まれたからには、何か合理的な理由もあるはずです。
相続争いを避ける先人の知恵
相続についての法律がない時代は、長男に全てを相続させることを予め決めておくことで、兄弟姉妹や親族の争いを防ぐ狙いがあったと言われています。
現代の感覚からすると不公平感がありますが、お家の存続繁栄という観点からは合理的だったのかもしれません。
兄弟で親を平等に世話することの難しさ
親の介護を誰がやるかという問題はとても難しいですよね。
長男に全てを相続させる代わりに、両親の面倒を見るという暗黙の了解も昔からあるようです。
権利と義務をセットにすることで、お家の存続繁栄を守ってきたのかもしれません。
田舎の長男の長男教に関する感想
実際に島根県のど田舎の長男である私の長男教に対する感想を述べさせてください。
いつの時代の話だ?
正直、長男教っていつの時代の話だ?と思います笑
島根のど田舎に住んでる私でも、そんなのすごい昔の話でしょ?って思います。
実際、私の奥さんも飯炊き女なんて一切やっていません。
むしろこんな山奥にお嫁にきてくれてありがとうって感じです。
長男教と言ってストレスを解消しているだけ?
ネットで長男教と検索すると、田舎の長男の嫁と思われる愚痴投稿が多く見られます。
真偽は定かではありませんが、少し話を盛ってアクセス数を稼いだり、注目されたりしたいのかなと個人的には思ってしまいます。
何度でも言いますが、島根のど田舎でも、もはや長男教的な考えの家はほとんどないと思います。
まとめ
この記事では、田舎の長男教について紹介しました。
昔は田舎の長男に嫁いだ女性が飯炊き女をさせられるというようなこともあったようです。
一方、長男教はお家の繁栄のための先人の知識だった面もあり、遺産相続や介護の問題などをあらかじめ揉めないようにする工夫の一つでもありました。
私は島根県のど田舎に住む長男ですが、もはや長男教的な考えの家はほとんどないと思っています。